あたたかみのあるフレーバーが人気のシナモン。実は、おいしいだけでなく、記憶力を高めたり、血糖値を下げてくれるなど、さまざまな効果があることが明らかに!

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シカゴにある「ラッシュ大学医療センター(Rush University Medical Center)」の研究チームによると、挽いたシナモンは、もの覚えのわるい人の学習能力を改善する効果があるとのこと。そして、この身近なスパイスが、どのようにして記憶と学習をつかさどるタンパク質を向上させるかを、明らかにしました。

「シナモン摂取は、もの覚えの悪い人の記憶力をよくするための、最も安全かつ簡単な方法のひとつとなることでしょう。記憶力が悪くなる脳のメカニズムを理解することは、それを改善する効果的な戦略を練るうえで欠かせません」と語るのは、研究者リーダーで神経学の教授、カリパダ・パハン氏。チームは、比較的学習能力のないマウスたちを迷路に入れ、出口を探すまでのタイムを計測。その後、1ケ月間に渡り、マウスにシナモンを与え続けた。すると、記憶力の低かったマウスが素早く迷路を覚えて、以前の2倍もの速さで出てくるという結果に。

パハン教授は、シナモンが体内で消化されると、記憶に欠かせない健康的な神経を成長させるための科学物質「安息香酸ナトリウム」に変わると解説しているそう。

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シナモンの効用はほかにも…


パーキンソン病、治療の余地あり?

 
シナモンがナチュラルなブレイン・ブースターであることが証明されたのは、実は今回が初めてではありません。2014年にパハン教授の研究チームは、シナモンにはパーキンソン病を患っているマウスの症状悪化をくい止める効果があることを発見したそう。シナモンが安息香酸ナトリウムに変化することで、神経を守り、脳内での伝達がスムーズになるとのこと。

 
糖尿病患者の血糖値を下げる

 
約20年前、科学者たちはシナモンが体内でインシュリンに似た動きをし、血糖値を下げる受容体を刺激することを発見。パキスタンの研究者たちは2型糖尿病患者にシナモンを食後に与え、シナモンを与えられていないグループの患者と比べると、すべての患者に血糖値低下の効果が見られ、正常レベルの血糖値も報告されたとか。

2007年に行われたタ嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)の女性を対象にした小規模な研究では、8週間毎日シナモンを摂取した結果、インシュリン抵抗が激的に減ったそう。しかし最新の包括的な調査では、上記の素晴らしい研究結果にもかかわらず、糖尿病の治療にはシナモンの効果は残念ながら弱すぎると結論づけられました。

photo/Getty Images 翻訳/Mayu Nakanishi From/The Good Housekeeping Web Team