2011年より『WEDDING PICTURES』を主宰し、エモーショナルで感動的なウエディング・フォトを撮影し続ける斉藤幸城さん。「人間の感情や思いが動く瞬間、それがドキュメンタリーであれウエディングであれ、その瞬間を捉えることに自分が魅了されているので、この仕事を選びました」と語る、斉藤さん。そのひたむきな思いを伺いました。
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“人の感情が動く瞬間”を写真に残すことが、ドキュメンタリーフォト=ウエディング・フォトの醍醐味

大学生時代をアメリカで過ごした斉藤さん。ドキュメンタリーフォト出身のコマーシャルフォトグラファーのところでインターンをしたことが、今に繋がる大きなきっかけになったそう。「ドキュメンタリー出身のカメラマンならではだと思ったのですが、人の感情をコントロールしながら撮影していく様に感銘を打たれました。僕自身も同じくしてLGBTやホームレス、マイノリティ・メキシカンをテーマにした写真を撮っていたこともあり、“ドキュメ ンタリー”というキーワードが自分の中で大きな位置を占めていったんですね。日本に帰国後は、そんなドキュメント・テイストの撮影はないか、しかしドキュメンタリー・カメラマンとして生計を立てるのは並大抵の事ではないな…と色々な分野を探ったところ、どうも結婚式撮影というのがそれに近しい類のものかもしれないと感じ、ある結婚式カメラマンのもとで、一年間ほどウエディング・フォトの勉強をさせてもらいました。最初は “ドキュメンタリー”という分野で人の感情が動く瞬間を写真に残すおもしろさを知り、今はウエディング・フォトという分野でそのおもしろさを実感しながら、撮影している…という流れですね」。 

独立して約5年。たくさんのカップルの“最高に幸せな瞬間”を写真に収めてきた斉藤さん。ウエディング・フォトを撮影するうえで心がけていることを伺いました。「光と陰、被写体の感情が動く瞬間を意識しながら、より美しくよりドラマティックに結婚式の瞬間を捉える…ということを心がけています。ウエディング・フォトは、5年後や10年後、その先もずっと見続けるだろうから、シンプルに長く愛せる写真――結婚式当時の雰囲気、自分たちの気持ちを思い起こさせ、夫婦間が上手くいかない時など、必要であれば初心に戻らせてくれるよう なエピックな瞬間や感情が写っている写真を目指しているし、撮るようにしています。あと、新郎新婦との関係性の構築には日々試行錯誤していますね。 初対面だと情報が圧倒的に不足しているので、 僕も聞かれれれば答えますし、僕からも新郎新婦へ出会いから結 婚に至るまで、そしてこれからどんいう風に歩んでいきたいかなど、聞くよ うにしています。 ある程度の情報と信頼関係を築いてから、撮影(結婚式)に臨みます。フリーランスフォトグラファーとして直接撮影をいただいているわけですから、 これに関してはとくに気にかけ、コミュニケーションをとっています」。

2015年末からは、『ウエディング・ピクチャーズ』オリジナルの額(フォトフレーム)を展開。「かなりの僕の“こだわりの塊”で、家具職人にデザインして もらったものなのですが、国産ナラ無垢材を使い、長く飾っても飽きない額に仕上げました。無垢材の額なので、本来はかなり高価なのですが、僕自身の手で最終的な額の研磨や塗装を行うことによりコストを抑えています。子供の時から、趣味で釣り用のルアーを削ったり、最近はハンドプレーンという小さなサーフボードも削ったりしています。自分で言うのは憚られるのですが、手先が器用なので、額の最終工程に手を加えるのはとても楽しい時間ですね。単に写真データをお渡しするだけでなく、形としてずっと残るもの、造りが良くて、長く愛せるものをお渡したいという考えのもと、出た答えが無垢材で作った額だったんです」。

このように今までのウエディング・フォトグラファーの枠を超えた試みも積極的に取り組む斉藤さん。その原動力は? 「結婚式は一度きりですが、写真はずっと残って、二人と共に育っていくんですね。おこがましくはあるのですが、その人の今後の人生に何かポジティブに働くような写真を撮りたい、その役目を与えられているんだ…という思いがモチベーションになっていますね」。真摯にひたむきにウエディング・フォトに取り組む斉藤さん。人生のなかでかなり大きなイベントである結婚式――こんな心意気で写真に取り組むプロフェッショナルに、“一生の宝物づくり=写真”を委ねたいものです。  

▲(TOPの写真)海外から日本へ旅行中のカップルの方の前撮り写真。もう日暮れも近いということで、海辺に急行して撮影した一枚だそう。ポージングなども指示せず、とにかく夕日が完璧な位置に差し掛かっていたので、「手をつないで夕日に向かって歩いて!」というこちらの要望だけで、海辺に到着してほんの数分で撮ってしまった一枚だそう。「飾らない自然体の姿を収められたと思います」。

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▲挙式前のファーストミートの写真。別々にお支度を終えて二人が向かい合ったとき、涙する新郎さん。涙を堪えながらもその姿に思わず笑ってしまった新婦さんが、印象的な一枚に仕上がっています。

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▲花嫁がこだわり抜いて選んだというドレスとハイヒール。ただ吊るして撮るだけではもったいないと思い、挙式後にリムジンに乗って街中を周遊する際に同乗して撮影を。幻想的な雰囲気にするために可能なかぎりボカしを利かせて、ふんわりとした一枚に。

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▲新郎の実家がある地方の神社で前撮りを行い、その後に御実家へ。「お祖母さんの足が悪く、都内で行う結婚式には来れないかもしれないということ。 優しい笑顔のお祖母さん、お母様の遺影を手に少しの照れくささとともに笑みを浮かべるお父様、そして新郎。三世代横並びになっていただいて撮影しました。きっと目に見えるもの以上のものが写っているかもしれないと思いながら、撮影した一枚です」。

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▲前撮り写真から。ずっと仲良く手をつないでいた二人。新婦さんの笑顔と風になびく髪が、撮影した海辺の潮風やそこにあった“二人の想い”を思い起こさせます。

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▲とてもスタイリッシュだったメイクルームで撮影を。「普段はメイクルームで二人のポートレイトを撮ることはないのですが、この時ばかりはメイク用の椅子に座ってもらい、“目線合わせて! ニッ コリ笑って! ハイチーズ”とパチリ」。

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▲披露宴後のもう半分以上は街並みに消えていってしまいそうな夕焼けのなかで撮影を。 「花嫁にも立ち位置まで少し急いでもらって、すぐに撮影しました。きれいな新婦さんを包み込むような夕焼けでしたね。ヘッドアクセサリー、ドレス、ブーケ、それぞれが主張し過ぎず、一枚に収まっている印象的な写真です」。

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▲斉藤さんこだわりの、木製フォトフレーム。一生の記念になるウエディング・フォトを飾るものとして、シンプルで長く愛せるデザイン、品質の高さにとことんこだわった逸品です。


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斉藤幸城さん〈WEDDING PICTURES〉 
〈profile〉1987年生まれ。趣味はサーフィンと釣り。カリフォルニア州サンディエゴ在住中に写真と出会い、アメリカ人フォトグラファーのもとでインターンを始める。自身ではホームレス、セクシャルマイノリティー、メキシカンなど社会的弱者を撮影したドキュメンタリー作品を生み出す。帰国後、ウエディング・フォトグラファーへ1年間師事した後、首都圏を拠点にカメラマンとして独立し、結婚式撮影を始める。ドキュメンタリーテイストの雰囲気を抱きつつ、柔らかい光と陰、色鮮やかな写真で数々のウエディング・ストーリーを撮影。『Instagram』のアカウントはこちら→@weddingpictures_kokisaito

■お問い合わせ先/
WEDDING PICTURES
http://www.weddingpictures.jp/